みなさんこんばんは!
毎年恒例…ではなく、
いつもは映画ごとに断片的にツイートなどはしていましたが、初めての試みとなる《今年観た映画の記録》をつけます。
以下は、全部劇場で観たものです。
感想はメモ程度のものもありますのでご容赦を。めちゃくちゃネタバレしてる訳じゃないですが、ちらほらしてると思うのでご注意を。
興味を持った映画はあらすじを読むなど推奨です!
凡例
【】…カテゴリ
★…映画タイトル
【邦画編】
★『岸辺露伴、ルーヴルへ行く』
(7/11、池袋トーホー)
映像が美しい。
思ってたよりちゃんとホラー映画だった。
怪異の原因となるエピソードが深掘ってあってとても面白かった。
★『コナン 鋼鉄のサブマリン』
(7/4、池袋トーホー)
Twitterでずっと話題だったのでたまにはコナンも観てみるか〜と観に行ったやつ。
その時たまたま鬱だったので、気分転換になってよかった。
スピード感・情報量がすごいけど面白くてすごい良いエンタメ。博士のなんとかコーナーみたいなの笑った。
★『君たちはどう生きるか』
(7/18)
良かった派。
ちゃんと児童文学をやっており、児童文学の文脈がわかるともっと面白そう。
友人が、インコが良かったって言ってた。
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https://x.com/mit0919sahne/status/1681229453085806597?s=46&t=O7WeqYwyq735OIvoDygxTw
★『リバー、流れないでよ』
(初夏。7月半ばくらい?、たしか池袋トーホー)
めちゃくちゃ面白かった!!!
コメディ&タイムリープもの。
ちゃんと恋愛映画も入ってて王道?
恋の逃避行的なものがタイムリープの中でされていく展開とかも上手いしちょっとエモかったり。
パンフも夢中で読んじゃった。
めちゃくちゃ面白かった。
*
【ファスビンダー傑作選】 (Bunkamura渋谷宮下)
★『不安は魂を食いつくす』
(8/1)
初めてのファスビンダー作品。
非常に味わい深かった。
すごくシュールな感じにも拘らず、残酷なリアリティを描きだしてる。
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https://x.com/mit0919sahne/status/1686351402619322368?s=46&t=O7WeqYwyq735OIvoDygxTw
★『マリア・ブラウンの結婚』
(8/2)
マリア・ブラウンという女性の活躍を描いた映画。
爆発オチなんだけども、なんだか全体として淡々としていて、「そういう女の一生」だったのか…という感じで見られて、そこまでショックではなかった。
タイトルに結婚、とあるけども、幸せな結婚生活は結局一瞬に過ぎなかったという皮肉的な感じもあるが、幸せな結婚生活のために奔走した女性の一生であり、これが彼女の結婚だったのだという感じ。かっこいい。
★『天使の影』
(8/2)
映像などとても詩的な感じ。
それもそのはずで原作がファスビンダーの戯曲で、盟友ダニエル・シュミットによる映画化。
退廃した都市、そして理不尽なこの世界で生きる人間を描くという、ファスビンダーの世界観がよくわかるような感じ。
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https://x.com/mit0919sahne/status/1686747848392499200?s=46&t=O7WeqYwyq735OIvoDygxTw
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【変貌する浮遊都市(メトロポール) ベルリン映画特集】 (下高井戸シネマ)
★『時の翼に乗って ファラウェイ・ソー・クロース!』渋谷哲也アフタートーク付き
(3/23)
名作『ベルリン・天使の詩』の続きとして作られた作品。
すごく愛せる駄作と言ったような周りからの評価だった印象(過言か?) つまり面白がれる。
ドイツ映画好きならきっと愛せるさ。
★『ベルリン・アレクサンダープラッツ』渋谷哲也アフタートーク付き
(3/24)
これは3時間超えのすごく長い映画なんだけど、とても名作だったから、映画館で見切ることができてよかった。
原作は小説。
映画は舞台を現代風にアレンジしたもの。
世の不条理は絶対にあるんだけど、その中で悪を犯してしまったときに、また更生して生きていくという男の話。
ヒロインが×××た時は、だから着いて行っちゃダメって言ったのに〜(伝わらない)って思った。
原作との違い(時代的な違いや置き換えだけでなく、フランシスとラインホルトのキャラクター性やその関係も含め)もあるので、面白かったら原作と映画を比較してみるのも一興。
★『さよなら、ベルリン またはファビアンの選択について』
→後述
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【今年のドイツ映画編】
今年2023年はドイツ映画が豊作でした。
★『ナチスに仕掛けたチェスゲーム』
(9/20、港南台シネサロン)
こちらはシュテファン・ツヴァイクの小説「チェスの話」を元とした映画。かなりアレンジされている模様。
大学院時代の指導教員曰く「今年のドイツ映画の中で、映画として一番面白い」作品。
エンタメとして、と言い換えても良いかもしれない。
ナチに対する反抗としてのチェスと、荒れる海の船上でのチェスのを重ね合わせているというスリリングな展開。
一回観ただけではけっこうわからないところがあったのだが、パンフレットを読んでわかったことがかなりあった。
個人的に面白かった歴史的ポイント
・ヴィーンにおける、民衆(労働者たちなど)と、ブルジョワ階級の立場の乖離
…民衆はナチに熱狂しているが、ブルジョワである主人公バルトークは、民衆のナチへの熱狂ぶりやユダヤ人差別とは距離を置いて見ている。
・ヴィーンは文化的・教養的であり、ドイツ(プロイセン)またはナチは、粗野で野蛮で暴力的あるという対比
…これは主人公バルトークが言っていることであり、そうした意味でオーストリア、ヴィーン、そしてヴィーン人の自分より、ナチを下に見ている。また、この対比は一貫してこの映画で語られている。
★『大いなる自由』
→後述
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【ベスト3】
※厳密には順不同だが、あいまいに上から1位っぽい
★『さよなら、ベルリン またはファビアンの選択について』
(3/22、下高井戸シネマ)
ファビアンのラストにはとても衝撃を受けてしまって、一体この作品はどう解釈すればいいのかなと一晩考えた。
翌日知り合いと話して、こういう映画を観たと話したら、「永月は、最後はどうなって欲しかった?」と聞かれた。
一呼吸置いて、「ファビアンに、死んでほしくなかった」と僕は答えて、
僕はファビアンに生きてほしかったのかとその時気付いた。
切望してる未来に向かって、まだ希望はあって、一生懸命に努力したのに、善人だったためにまだ希望のあった未来がなくなってしまうなんてあんまりにも悲しかった。
ラストは、おそらく一般的な解釈であるような社会や時代の荒波を乗り越えられなかったんだと言ってしまえば、それまでだけど、そうやって一般化された大局的な比喩としてよりは、もっとファビアン個人の物語、あるいは悲劇?として、またモラリストとしての生き様を感じられた作品だった。そしてそれを受け止めた僕たちはどう生きていくか考えないといけないと思った。
とりあえず倫理観・誠実さのない今のカイッシャはやめよう。。。
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https://x.com/mit0919sahne/status/1638549461193625603?s=46&t=O7WeqYwyq735OIvoDygxTw
★『大いなる自由』
(8/23、Bunkamura渋谷宮下)
マクロな歴史物というより、ごく個人的なラブストーリーだった。
大学院の指導教員がパンフレットに書いているというのもあって観に行った作品。
ナチ時代に同性愛が法律で有罪とされてから、ドイツ敗戦後もその法律が残っていた。ドイツでは、なんと1996年まで上記刑法175条が有効だった。
そんな戦後のドイツで、何度も監獄に囚われながらも自らの愛を貫こうとする男が主人公である。
歴史ものかな?と思っていたら、と言うよりはラストで、これは壮大な、ごく個人的なラブストーリーだったんだ!という良い意味での驚き。
確かにナチの影響やゲイへの抑圧などの歴史的・社会的困難を取り上げていてそれがテーマではあるんだけど、それ以上にこれはごくごくミクロな、ある二人の間の愛の話である。
鑑賞後、ポスターに開いた穴の意味がわかる。
★『ソウルに帰る』
(8/15、Bunkamura渋谷宮下)
とても良かった。
朝鮮戦争の影響で、韓国では多くの子どもたちが国際養子に出された経緯があると言うことを、この映画で初めて知った。
フランス出身のフレディは、一人旅行の際に偶然韓国に、25歳で初めて降り立つことになる。
そこで知り合った同年代の韓国の若者たちに、親を調べてみたら?と言われ、もともと興味があったわけではないが、実の親探しを始めることとなる。
実の父親とは連絡が取れ、父親家族に会いにいくことになったり、後々韓国で働いたりと、思わず韓国での出来事に巻き込まれていくフレディ。
フランスで育って、韓国はたまたま生まれだっただけでなのに、韓国での人々に翻弄されていくとは、出生というアイデンティティの強固さに観ていて驚かされる。
そこには、自分で選んだわけではなくたまたま生まれただけなのに。
規範に囚われない自由で奔放な新しくクールな女性像を見せてくれる、思春期の揺れ動くフレディに目が離せなかった。
観た後に無性に誰かと話したいような、まだ帰るには物足りないような気持ちになって、渋谷の八月の鯨という、映画にちなんだカクテルを作ってくれるバーに行った。
バーテンさんと映画の話がいろいろできたのも良い思い出。
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以上でした!
また来年も映画観るの楽しみです。