九月の断章

日々の研究や日常から感じたり考えたりしたことを綴っています。

タピオカと紙芝居

こんばんは。永月です。

10連休ですね。みなさんいかがお過ごしでしょうか。

 

もともとこのブログは書きたい記事(ファシズムの体験学習のレビュー)があったのが大きい理由で開設して、わりと真面目なスタンスでいたためにせっかくのブログという場をあまり活用できていなかったので、もっとラフに日記として更新していきたいと思っています。

その中で考えたことや学んだことも書けたらいいなくらいで。

ちなみに、今年はドイツにドイツ語を勉強しに行こうと思って目下のところ計画中ですが、せっかくなのでこのブログを使ってドイツ滞在記はつけようと思っています。ドイツに行くまでにも、ウォーミングアップ的に今まで形にできていなかった記事なんかもアップできたらいいかなと。

ほんとのところは昨日、「CMSな日々」ブログ(http://icucmsorchestra.blogspot.com/)に大学オケ現役のころ書いていた自分の記事を少しだけ読み直したら懐かしかったし、自分の書いた文章やその時の思考が時系列に見直せるってけっこういいなって思ったのですよ。ちなみに僕がブログマスターっていう、ほかの人に原稿を書かせたり自分で書いたりするお仕事をやってたのは2016年2月に登場してから2017年4月までです。僕は自分の文章もオケの人たちも好きなので、よかったら読んでみてください。

もちろん今でもCMSとかいうめちゃくちゃ上手なオケの活動の一端が垣間見られます。いやあ学生オケってアツくて良いものです。

 

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なぜか世間は年越しムードでしたが、僕は毎年のように一年で一番美しい季節だと信じている5月を迎え、連休の真っ只中にいました。

連休中、僕はというと、下北沢に遊びに行って、@Easeのタピオカミルクティを飲みながら紙芝居の鞍馬天狗(33話)とロボちゃん(2093話)を見ていました。

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鞍馬天狗は32話の途中から見ましたが、アイヌのひとと松前藩が戦っていました。

33話は、ちょっとよくわからないのですが何やらロシアと繋がっている敵との戦いで、おそらく基本的に勧善懲悪ものが描かれているようでした。

ロボちゃんに至っては、2092話までを知らないまま、いきなり2093話を聞くことに。

ロボちゃん、一言で感想を述べるなら、それは静かなるカオス。

ていうかロボちゃん出てきてないし。

冒頭は船が何かガスに包まれていて、宇宙人が客に襲いかかる!と思いきや、頭をペロペロし始める!(?)  最終的に、みんな髪の毛がなくなって悲しむ…という超展開。謎過ぎる。

 

内容はともかく、物語をいかに鮮やかに口頭で伝えるかという点について。

口伝で物語る文化というのは、今はなかなか身近にないけどかなりの高等技術だなと率直に思いました。

紙芝居なので、効果音としてお姉さんは確か台を叩いていたのか馬の走る音を立てたり、馬の鳴き真似をしたりしていました。さらに小さな太鼓があって、太鼓の音はいろいろな演出に使われていました。

 

それでなんとなく思い出したのは大門さんの『語る歴史、聞く歴史』で読んだ、明治、大正の生活世界では重要だった「話し上手」で、こんな感じだったのかなあと近いイメージを彷彿とさせられました。もちろん、「話し上手」とは写真のない時代、身振り手振りを交えて話だけで情景をありありと思い浮かべさせるような描写をする人を言うので、絵がある紙芝居とはまた異なるものだと思います。

ちなみにこういう外で見かける紙芝居は、「街頭紙芝居」というもので、このワードで調べると研究も出てくるようです。

多くの方が子どものころ保育園や幼稚園でお世話になったであろう幼児紙芝居は、低劣、俗悪などと言われていたこの街頭紙芝居から保育用に派生したものだそうです。

ちなみに街頭紙芝居はどこから批判されていたのか気になりますが、街角で子どもたちが接するのにその内容が……ということのようです。(とりあえずはこの論文を参考にしました。https://www.jstage.jst.go.jp/article/tfu/10/0/10_39/_article/-char/ja/ )

 

さて、続きはただの感想ということで聞いてください。

さいきん、山下泰平さんの『「舞姫」の主人公をバンカラとアフリカ人がボコボコにする最高の小説が明治に存在したので20万字くらいかけて紹介する本』という本が出版されました。

まだぱらぱらと目を通したくらいなのですが、終章はちゃんと読んで、めちゃくちゃ良いことが書いてあるのでぜひそこだけでも読んでほしい本です。

この記事を書いていて、この本(まいボコ)を思い出したのですがそれは、「鞍馬天狗」が昭和の街頭紙芝居であり、まさにまいボコでさまざま紹介されているような、ヒーローの活躍する奇想天外な戦いが繰り広げられているところでした。

というか明治の娯楽小説に登場してきたさまざまな要素や形式が、そのあともわれわれの知っている日本の小説や漫画、アニメにも入り込んできているんだよ、というのがまいボコの教えてくれることの一つなので、当然といえば当然で、この街頭紙芝居にも色濃く反映されていただけのこととも言えるのかなと思いました。

 

そんなこんなで楽しい休日を過ごした永月でした。

みなさんも引き続きよいGWを。